11.29
困難な状況は新しい発見のきっかけかな
和と食に関するお仕事に関わらせていただているのですが(要は和食)、Webサイトで和の文化を伝えようと、スライドショーに和歌を掲載しています。
前任の方がそうされていたのですが、掲載されていたのが春の歌だったので、「せっかく日本は四季があるのだから、季節ごとの歌を載せよう」ということで、古今和歌集から冬の歌を探していました。
そこで見つけて選んだのが…
雪降れば 冬ごもりせる 草も木も 春に知られぬ 花ぞ咲きける
古今和歌集 巻六 冬歌より、紀 貫之(きのつらゆき)の詠んだ歌です。
現代訳は、
雪が降れば、冬ごもりしている草にも木にも、春には知ることのできない花が咲いたようだ。
草木に降り積もる雪を花に見立てたことに対して「うまいな」と思ったこと、そして「心に浮かぶ情景の美しさ」で選んだというのもあるのですが、自分の中にある『裏読み』が思い浮かんだことでこの歌に決めました。
独立してから
2年と3ヶ月のあいだ、たくさんの人に出会いました。ときには、お互いの人生観や仕事(商い)の考え方について話をすることもあります。
(自分は手を動かしてWebサイトやアプリをつくるのが主な仕事ですが、たまにお手伝いをお願いする以外は基本的に1人でやっているので、必然的に外に出ることも多くなります。)
なかには、とても「困難な状況」(大きな病気をしたり、法改正の影響でお店をたたむことになったり)であるにもかかわらず、その状況を楽しもうとしたり、新しい何かを発見するためのきっかけととらえてプラスに変えようと努力する人もいます。
自分も何度か経験があるのですが、その「困難な状況」になって初めて見えるものあると言います。
雪は、見た目は綺麗ですが、とくに雪深い地域などにとっては災害の元にもなり得る「困難な状況」でもあると言えます。
この歌には、単純に「草木に降り積もる雪を花に見立てた」美の発見を伝える以外にも、「困難な状況になって、初めて見えるものがある」「困難な状況でも、それをきっかけに新しい何かを発見しよう」という意味もあるのではないか、などと勝手に裏読んでみたりしたのでした。
今日の研究成果
とくに、大きな病気をした人の気持ちなどは、その状況になった人にしか完全にはわからないと思います。
周りがすべてわかった気になって、思い込みで「わかります」「わかるからこうしなさい」と言うのは、個人的にはあまり好みではありません。
ただ、わかろうとすることはとても大事だと思います。明日は我が身。人間みんなお互い様と考えて、おおらかに接していきたいなと思いました。
そして、自分が「困難な状況」に立ち向かうときには、「新しい発見のきっかけ」ととらえる柔軟さを忘れないようにしたいと思います。
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